ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アバター

ハリウッド映画の力に打ちのめされる。すごい。
とにもかくにも脚本がエンターテインメントとして圧倒的に正しい。アバターっつっても仮想現実がどうこういう思索的な話ではなくて枠組みはごくごくオーソドックスな異種族交流型で、そこにわかりやすいアメリカ的自己反省を織り込みつつも、スペクタクルやドンパチを充分に生かすエピソード群!
物語の骨組みがしっかりしていて、伏線が充分に散りばめられ、プロセスがきっちりと描かれているから、安心してエンターテインメントに没入できる。

クライマックスの入り、でどでかいシャトルまで持ち出して全軍突撃! の場面からパワードスーツと殴り合いまでの一連の流れなんか、正し過ぎて笑うしかないわ。巨大な組織同士の総力戦が個対個のどつきあいに圧縮された上に、最後にはキャノピー引っぺがして睨み合いだもんなあ。笑いが止まらない。


以下雑感。
・3Dの映画は初めてだったが、奥行きのある表現はやっぱり新鮮。水に飛び込んだときの水面や、カメラがギリギリまで地面に近づいたときの大地の深さにハッとさせられる。
・靄や透過する光など非常に効いている。
・後半はそんなに3D生きてる感じがしなかった。例えば初飛翔シークエンスとかは、もっと3Dである意味のある画で見せるのかなあ、と身構えたがそうでもなかった。まあ結局ジャングルチェイスだよなあ、うん。
・あと意外に人間の身長の大きさが強調されて面白い。遠近感があるぶん、大きさがよくわかる。
・視差とピントのズレはちょっと違和感があったなあ。左右の眼の視差はこちらが能動的にずらしてやらなきゃならないんだけど、そのとき本来ならば合わせられるピントが、映画の上ではぼやけたままだっていう矛盾。カメラが画面の手前の人物にピントを合わせているとき、観客は後ろの人物に視差のズレを合わせることができるんだけど、画像としてピントは手前の人物に合ったまま……という。まあここら辺は慣れの問題なんだろうけど。