ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

麦秋

麦秋 [DVD] COS-022

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小津安二郎の映画は「東京物語」に続いて2作品目。
なるほど、映画の演出はこのようなものかとつくづく感動させられる。
脚本に取り立ててひねりがあるわけでなく、どんな派手な映像があるわけでもないのに、並ぶ老夫婦の背中から空に切り替わって音楽が流れるだけで、ああ、感動してしまうのである。なんか詐欺みたいだよ!

以下雑感。
・冒頭に90度ずつの角度で固定したカメラで家を映しているのだが、その繋ぎが人物の動きに依っている。たぶんイマジナリーラインとかとはちょっと違うやり方で、今の文法になれている自分はかなり面食らう。疲れる。でもそれも最初だけで、慣れるとそういうものとして理解しちゃうんだよなあ。
・で、その慣れが切り替わって汽車! 痺れるわ……
・とにかくカメラが動いたときの迫力がすごいんだよなあ。ラストシーンのあのカメラからじんわり滲み出るあの感情っていったい何なの?
・見合い相手を覗きに行く後退のカメラから、自宅の台所に前進するあのカメラの繋ぎ! 「ぶはあっ!」って思わず吹き出しちゃったけど、あれってさ、なんなんだろうね? もうわけわからんわ。
・たぶんコレが映画ってやつなんだろうなあ、と思う。