ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

始祖鳥記

始祖鳥記 (小学館文庫)

始祖鳥記 (小学館文庫)

以下雑感。
・未知の者に魂を奪われた人間たちの物語。
・細やかな描写もあるんだけど基本的には男の話。派手じゃないが心に染みる。読んでいるこっちが動かされる小説である。
・「昔は海の外側に未知の世界が広がっていて、そういう意味ではちゃんと伸びしろがあったんだよなあ」なんていうのがただの言い訳に過ぎなくて、当時の人間にとっても海の外側なんて「出て行くのがばかげている戯言」だったんだなあ、とつくづく思う。
・才能ない自分がこの小説の主人公に共感するのは、そりゃあ、情けないことだってわかってる。自分が周囲の人間とまっとうなコミュニケーションがとれてないことの言い訳じゃないかって。この小説の主人公ほどの努力をいつしたんだって。でもなあ、やっぱり共感してしまうんだよなあ。こうなるべきだと、思ってしまうんだよなあ。本当に情けないんだけど。