ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

地獄で眠れ

なんか例によってリストに入れたのが遥か忘却の彼方であり、観始めたときは「なんでこんな映画借りたんだろう?」「チャールズ・ブロンソン!」「のっけからマッドなドクターが南米で拷問! 潔いB級テイスト!」なんて余裕をこいてました。最初のうちは。
でもねえ、なんか脚本がいい気がするんです。いやまあ、そりゃあ色々抜けてる部分もあるんですが、やっぱり冒頭の拷問から爆発のシーンへの意外性とか、直後の海のコントラストとか、演出がちょっとアレでのっぺりして見えますが、しかし意図としてはそこそこいいんでないかと思うんです。
特筆すべきはコメディセンスで、殺し屋ブロンソンがマッドドクターの妹であるご婦人を誘拐しようと部屋のベッドに潜り込んだところ、婦人と娼婦のレズプレイが頭上で始まってしまったり、南米の自然満載銃撃カーチェイスが横切る牛の群れでいきなり中断させられたり、トランクに入れていた人質ご婦人が流れ弾で死んでたり、その直後ヒロインとふたりきりの岩砂漠でタコス食ったブロンソンが一言「素晴らしく辛い」とつぶやいたり、なんかよくわからないけれども非凡なものを感じさせられるんです。
で、ラストは一度どんでん返しを入れつつも、一応ちゃんと作品の根っこに流れる情念を結集させた形で終わってる。
いやあ、やっぱり脚本がいい仕事をしています。拍手。いや人には勧めませんけど。