ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

くれは×リミテッド!

くれは×リミテッド! (GA文庫)

くれは×リミテッド! (GA文庫)

恒例! ぼくのかんがえた『くれは×リミテッド!』

ある日偶然、ヒロインから凄い能力を譲り渡されてしまった主人公。主人公はその能力を使うことによって、世界を陥れようとしている悪に対抗できるようになる。
ってのは物語の導入としてよくあるパターンだけれども、それまで一般人だった主人公が世界を守るために命を懸けて戦うための動機をどこに求めるのかで作品に必要な要素が変わってくる。

悪を倒すために積極的に戦う主人公であれば、いきなり能力を手に入れるのではなく、手に入れる前の無力な主人公を描いておくことで、能力を手に入れること自体を大きなカタルシスとして描けるだろう。

一方、それまでの日常に固執し、あくまでも能力を使いたがらない主人公であれば、彼が自らの意志で戦場へと向かう過程をきちんと描写しなければならない。
命を狙われて嫌々、というのもまあひとつの形ではあるが、やはり主人公たるもの「新たな力で助けられる人がいる」「見殺しにするのは忍びない」って動機のほうが感情移入できそうだ。


ところでこの小説は「主人公が能力を得る」と同時に「ヒロインが能力を失う」という構造を持っている。
主人公の設定は物語全体の意図するところに密接に関わるからなんとも言いづらいところではあるけれども、現状機能しているように思えないヒロインをなんとかするには、主人公を後者に設定の戦いたくない性格にしておいて、「能力を失ったヒロインがボロボロになりながらそれでも敵と戦おうとするところ」が主人公発憤のきっかけとなるといいんじゃないかと思った。


以下雑感。
・「アイドルになってるときの自分は自分じゃない」っていうのは肯定的に乗り越えられる命題な気もする。ってかそれが呪縛になる構造は、妹に負担を強いすぎる。
・サークル活動意味ない。削っていいんじゃないか。
・サポート役の上司、キャラは悪くないけどヒロインの意味を殺している。
・風呂ノゾキでキャー! ズガン! フゲッ! のやりとりに腹が立ってくる。バナナの皮で滑って人を笑わせるなら、『こけ芸バナナ式』くらいの情熱が必要なのだ。