ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

おくりびと

おくりびと [DVD]

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全体的に過不足のない脚本に驚く。
妻の反感を解消するには夫の仕事を観てもらわなきゃならないのは当然なんだけど、その直前に妊娠を持ってくるあたりが心憎い。子供という切り札とともに意気揚々とやってくる妻。それをひっくり返すから、クライマックスの妻の協力にも説得力がぐんと増すわけで。死者の位置づけもあのさじ加減がちょうど良い。
で、ラスト。父親の納棺時に石が出てくる演出には泣かされてしまった。冒頭からこの作品が全体として「父への未練を解消する話」というのは示されているわけだけれども、あの石は彼が納棺師でなければ発見できなかったことになる。翻って社長の言った「運命」という言葉がじーんと胸を打つのだった。

納棺師という題材を扱っているものの、その中身はわりとストレートでしっかりしたドラマなんだよなあ。


以下雑感。
・広末脱がせシーンは、エロさも全然あるんだけど、それ以前にものすごく感動的なシーン。
・いちおう地元なのでちょっと気が散る面はある。
・しかし月山より鳥海山を推したい。非常に推したい。
・ああたぶんあの火葬場はうちの婆さんを焼いたところなんだろうなあ、と思う。松林が綺麗なのだ。