- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2008/07/25
- メディア: DVD
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戦時下に弾圧された思想家を擁護するという、なんともまあキナ臭い作品であるものの、焦点を思想家の妻に当てることで嫌みでなく表現できている。妻の凛とした姿勢と愛に心を打たれ、思想がどうこうとかいう下世話な心が洗われてしまうのだ。迫害される弱者を、好きな食べ物が食べられない末娘へと重ねるその手管も、わかっちゃいるんだけれども同情を禁じ得ない。巧いんだよなあ。
庶民感覚でエンターテインメントを描きながら、しっかり自らの意見を織り込むことができる。このバランス感覚を保ちながら、長年邦画界の第一線で映画を撮り続けてきた山田洋次という監督は、やはり偉大だ。
以下雑感。
・この年になってこのレベルの映画を毎年作れる山田洋次はすげえ。
・吉永小百合の年齢設定にはやっぱり疑問が残ってしまう。もったいない。
・泳ぐのは本当に驚いた。
・短い庶民エピソードが抜群。