ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

星図詠のリーナ

 

星図詠のリーナ (一迅社文庫)

星図詠のリーナ (一迅社文庫)

 

 キャラ立て、読みやすさ、エピソードのつくり他、手堅くツボを押さえている印象。悪くないが、難点がないわけではない。

最も気になったのは、「地図」という非常に巨視的な題材を、ヒロインの視点から説得力もってストーリーに組み込めてはいないように感じたところ。「地図」は市民の生活に密着するものでもあるが、それよりも国の軍事政策や都市設計といった、個人とは大局的な場所で機能するように思える。ヒロインの庶民視点に地図というギミックを引きつけるには、立て札程度ではちょっと説得力が足りないような印象。
あと、普通に立てられていて悪くはないんだけど、ライトノベルというジャンルからみたとき、本作品のヒロインはちょっと魅力が足りない。『狼と香辛料』なんてラノベにならなそうなテーマの作品をまず引っ張ったのは、間違いなくヒロインの魅力。たとえば弱点をつくるだけで、キャラクターとしての魅力が違ってくると、小池一夫もいっていた。気がする。