正直言うと、色んなところで耳にしながら「幻の新橋駅」がなんでできたのかさっぱり理解していなかったのだが、いやあ、まさかそのバックグラウンドにはこんな話があったなんて。万世橋橋駅や渋谷の謎の地下鉄駅とか、そういう「ぼんやりとした疑問」に当時の鉄道状況も絡めて解答していく様は非常に面白い。のだが、やっぱりこの本の真骨頂は地下鉄創成期の二人の偉人の攻防にあって、特に前半、なんのコネもカネもない状態から地下鉄敷設へとがむしゃらに突き進んでいく早川徳次の行動力には舌を巻く。いやあ、すげえひとがいたんだなあ。