ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

スクランブル・ウィザード


超能力でテロ制圧の話。
主人公とヒロインの絆が、時間を追ってきちんと描かれていることに好感触。テロリストだの何だの事件は起こるものの、この巻で一番語られなければならないところが、形式の提示も含めてきちんと描かれていたのにはかなり好印象を受けた。
他のキャラクターも、そこまで印象が強すぎるワケではないが、しかし少ない描写でしっかりと「ストーリーにおいてどのポジションを務めるか」が示されていて良い。

能力描写にオリジナリティが少ないのはマイナス。バトルシーンはそれほど悪くないが、しかしこの話ならではの面白味に欠ける。せめてビジュアル的に差別化できているだけで全然違うと思うのだが。
テロリストがあれだけ常識人で良いのだろうか? もう少し狂気の片鱗のようなものが見えなければ、テロという行為に説得力が出ないように思える。ストーリーのためだけに配置された、字面の上だけで「箔のついた」テロリストでは、全体の熱も冷める。
敵の能力者も、ひとつ偏屈エピソードがあるだけで、ステレオタイプから脱出できるのでは、と思う。